ここ最近何度か物流作業における、ピッキングミスについてのお話しを伺うことがあったので、少し考えを書いておきます。
誤出荷が〇.〇%、〇〇PPM(百万分の一)
という指標で、出荷のミスの数値をお伺いすることが多いのですが、数値だけではなかなか本質が見えてきません。また、出荷のミスがどの時点で起こったのかまで遡って捉えられていない場合もあるかと思います。
まず、ピッキングミス自体を確認していきましょう。
ピッキングミスの状況を記録しよう
- ピッキングミスが起こった商品
- 日付、時間帯
- 場所(フロア、棚、ロケーション)
- 同時にピッキングしている他の商品
- ピッキング時の作業・ピッキング方法
- ピッキングした作業者
- 数量
- 商品の間違い、数量の間違い
ピッキングミスが起こったときに、上記を記録することから始めてみてください。
なんとなく、ミスの傾向や原因は掴めているのかもしれません。
ただ、対策をとってもミスが減らないという事は、「原因を見誤っているか」「対策が間違っているか」です。
しっかり、ピッキングミスの原因を掴むためにも、まずは「記録」を行ってみてください。
ピッキングミスを分析しよう(傾向を探る)
商品の視点
ピッキングミスの記録より、ミスが起こった商品を確認します。
- 特定の商品でミスが起こっていないか?
- ピッキングミスは、商品の取り違えか?数量の間違いか?
- ピッキングミスが起こりやすい商品に、大きさ、形状、色、商品名や商品コード、カテゴリ等の共通点はないか?
- 通常以外の付帯作業が発生する商品ではないか?
- 同時にピッキングしている商品はないか?
日付・時間帯の視点
- 月末、月初、特定の曜日等、ピッキングミスの頻度が偏っていないか?
- ピッキングミスが起こりやすい時間帯がないか?
- ピッキングミスは、商品の取り違えか?数量の間違いか?
場所(フロア、棚、ロケーション)の視点
- ピッキングミスが起こるロケーション、エリア、フロアに偏りがないか?
- 棚の中の間口の位置(何段目?何列目?)にミスの偏りがないか?
- 隣の商品と取り違えていないか?
ピッキング作業の視点
- ピッキング(商品を棚から指定数量分とる)以外の作業をしていないか?
- ピッキング時に行っている付帯作業がある場合、ミスが起こっているものに偏りがないか?
- 複数のピッキング方法(例.出荷先ごとのピック、トータルピック、複数出荷先分を仕分けながらのピック等)を行っている場合は、ミスに偏りがないか?
ピッキング数量の視点
- ピッキングの数量に偏りがないか?
- ピース(1個単位)のピックか、ケースでのピックか、その両方が混ざったときか?
ピッキング作業者の視点
- 特定の作業者にミスがないか?
記録を分析すると、何等かの傾向は見えてくるはずです。ピッキングミスが起こりやすい状況がある程度特定できれば、原因の分析と対策が立てやすくなります。
まとめ
今回は、物流品質向上のため、倉庫・物流センター内でのピッキング作業のミスの原因分析についてまとめました。
対策を行う前に、今一度、以下を行ってみてください。
1
ピッキングミスの状況を記録する
2
ピッキングミスを分析する(傾向を探る)
・商品の視点
・日付、時間帯の視点
・場所の視点
・作業の視点
・数量の視点
・作業者の視点
3
対策を検討する